2気筒のビッグバイクとして気になっていたのがBuell(ビューエル)。要するにハーレーベースのVツインエンジンを積んだロードスポーツ、らしい。ギュッと凝縮された「カタマリ感」があってなかなかカッコいいのですが、果たしてハーレーのようなドコドコ感はあるのか、もしそうだとしたら、どうやったらコンパクトで軽いロードスポーツになるのかが不思議で興味があったのです。だってハーレーのエンジンって重そうじゃないですか。そこで「ビューエル名古屋」にお邪魔しました。
Buellで目につくのはフロントの大径ディスクローターとリアのベルトドライブ。リアのスイングアームがオイルタンクを兼ねているとか。丸目2灯ヘッドライトは通常右目(ロービーム)だけ点灯しています。エンジンは985ccと1202ccの2本立てで、それがロードレーサー、ネイキッドスポーツ、デュアルパーパスの3種類のスタイルに搭載されています。試乗させていただいたのはネイキッド+985ccの「LIGHITNING CITYX XB9SX」と、ロードレーサー+1202ccの「FIREBOLT XB12R」です。
写真上はXB9SX。「シティ・クロス」という呼称がついているように気軽に街乗りできるモデルだとか。全体にコンパクトで足つきも悪くないし、ハンドルも近い。乾燥重量177kgと軽いのもうれしい。ハンドルが近すぎる人は全長が8cm長いモデルを選べばよいのですが、それでもアメリカ人には小さいのではないでしょうか。エンジンをかけるとVツインらしい振動が伝わってきますが、黙っていればハーレーのエンジンだとは気づかないでしょう。
燃料タンクがブルーのスケルトンになってる!? かと思ったら、そこはエアクリーナーだそうで、フレームが燃料タンクになっているそうです。スケルトンを見た瞬間、Apple Computer の初代 iMac を思い出しました。マグネット式タンクバッグは使えないなー。
よく曲がる、軽快なバイクです。市街地を流すときのパワーフィールはDUCATI MONSTER S2Rに近いかも。低速トルクに不足はないけれど、スピードを出すには回転を上げないといけません。マフラーが車体の真下に出してあるので、エンジン音も排気音も全部ごちゃまぜになって響いてきます。途中エンジンが「熱いなー」と思う頃、ブーンというファンの音も重なって聞こえてきて、信号待ちで音源を探したのですが見つからず、お店に戻って訊いたらシート下に電動ファンが仕込んでありました。位置的にはシートヒーターになりそう。エンジンを切っても回っているのはターボ車みたい。
写真上の赤いバイクがFIREBOLT XB12R。1200ccエンジンを始動すると「ドドン、ドンドン」。これはまさにハーレーのエンジン。Dyna Low Rider (FXDLI) 試乗を思い出しました。しかし、実際目の前にあるのは真っ赤なロードスポーツ。ショーウィンドウの中のシュークリームを買って帰ったら中身はこしあんだった、みたいなチグハグな感じがしないでもない。内心戸惑うワタシ。
跨るとハンドルが遠く、黒いバックミラーが鹿の角みたいにニョキッと生えてます。ドドンコ、ドドンコ息づいているエンジンのスロットルを開いてクラッチを繋いで発進。100メートル走っただけで「なにコレ?」。2,000rpmを超えると不整脈な振動がスーっと収まって滑らかに回るし、トルクも厚く、加速もパワフル。900ccのエンジンとはまったく別物です。乗ってしまうと断然1200ccのほうがいい!
総合するとわたしの好みは XB12S かロングモデルの XB12Ss ということになります。Vツインエンジンがもうすこし外から見えるとうれしいのですが構造上仕方ありません。デュアルパーパスの ULYSEES XB12X も気になるのですが展示はありませんでした。8月には2007年モデルが発表になるとか。年度によってモデル内容が変わるので要チェックです。
DUCATI MONSTERがアルファロメオならば、Buellはフォードといったところでしょうか。
壊れそうな心配はまったくありませんし、国内でオーバーヒートで止まった例もないそうです。夏にオーバーヒートするとしたらバイクではなくライダーのほうでしょう。ドコドコVツインに跨ってキビキビ走りたい人には面白いバイクです。 「マスの集中化」「高剛性シャシー」「バネ下過重の軽減」という独創的なポリシーは大いに評価したいと思います。
★ バイクに乗るたびに疲れる乗り物だと思います。いわゆる「運動」にはなりませんが、わたしにとってバイクに乗ることはスポーツです。安楽なクルマに乗っているからギャップが大きいのかもしれませんが、BMW735ではなくFERRARI328だったとしてもバイクのほうが緊張するでしょう。それだけ刺激的だということです。
バイクはバランスが大事。いま思うと教習所の8の字コースがいちばん良い練習だったように思います。ハンドルが曲がろうとするのを腕を突っ張って妨げないようにして、アクセル一定で、スピード調整はリアブレーキで、というところにUターンのコツも含まれています。
疲れるけれど惹かれる。免許証の排気量制限がなくなって見通しがよくなったもので、あれこれ目移りして仕方ありません。好奇心のあるうちにいろいろ見て、みなさんにもお伝えしたいと思います。仲間が増えることを願って。(笑)